よく、日本人は「畳の上で死にたい」と願っていると聞きます。今から30年ほど前までは、在宅で最期(ターミナル)を迎える方のほうが多かったようですが、今では在宅死は1割強で、最期をみとる場は殆どの場合、病院のようです。
たとえばがんの場合、病院では点滴やたくさんの医療機器が身体についているのに、自宅でこれらの管理をどうしたらよいのか全く想像がつかないという情報不足も在宅ターミナルへの決心がつかないひとつの要因になっています。また、核家族化で介護者がいなかったり、老老介護だったり、住宅事情が許さなかったりという介護環境の問題も考えられます。
さらに在宅ターミナルを支える医療・介護体制が十分に整っていないという提供側の問題もあります。特に、がんの痛みを取り除く疼痛ケアができる医師が近くにいて往診してくれるかどうかは重要なポイントです。こうした支えがあっても、家族が身近に死を経験していないために不安になり、最期の局面で在宅ターミナルを断念して救急車を呼び、望んでいなかった延命治療を選択してしまったということも少なからずあるようです。
住み慣れた家で 最期を迎えるということが必ずしも容易ではない時代になってきています。人生をいかに幕引きするか。今後はしっかり考えてなくてはいけません。